アメリカに長期滞在する際には目的によって各種ビザが必要になりますが、今回僕が経験したJ-1ビザ取得までの道のりを記録しておきたいと思います。
もくじ
アメリカのビザの種類
ビザの種類(抜粋)及び申請料金は以下のとおりです。
申請料金というのは、アメリカ大使館に支払うお金のことであり、後述しますがこのほかにも結構お金がかかります。
この他にも、外交官ビザとか、アメリカ人と結婚した人用のビザとか、色々あります。
最重要書類、それはDS-2019
ビザを申請するためには、DS-2019というJビザ申請許可書を取得する必要があります。
DS-2019というのがその文書の名前になります。
これが
めちゃくちゃ大切な書類です。
ビザ申請のためだけでなく、実際のアメリカへの入国審査の際にビザと一緒に提出する必要があります。
海外旅行では「命の次に大切なのはパスポートだ」などと言われますが、パスポートの次に大切なのがこのDS-2019です。
DS-2019とはアメリカ国務省が認定する団体(スポンサーオーガニゼーション)が発行するJビザ資格証明(Certificate of Eligibility)と呼ばれるもので、交流訪問者のプログラムの説明(プログラムの開始日と終了日、交流のカテゴリ、交流プログラムの内容や費用の見積もりなど)に関する内容が記載されています。
J-1ビザとは
J-1ビザ(Exchange Visitors Visa(交流訪問者))は、アメリカ国務省(USIA)が認定する職種及び業種にて最長18か月の間、有給で研修できるビザです。
J-1ビザを持っていれば、DS-2019に記載されたプログラム開始日の30日前から米国に入国することができます。
生活の準備を整える期間がもらえると考えれば良いと思います。
また、DS-2019に記載されたプログラム終了後30日間は米国滞在を続けることができます。
これはビザの期間終了後も、帰国の準備やどこか旅行へ出かけたりする猶予期間と思えば良いと思います。
ちなみに、J-1 ビザの人と一緒に渡米する配偶者や21歳未満の未婚の子どもは、J-2ビザを取得する必要があります。
J-1ビザ申請の資格要件
だれでも申請できるものではなく、次のような要件があります。
専攻と職歴については関連性を求められますが、書き方次第でいかようにも関連性は見いだせると思いますので、そこまで神経質にならなくても良いと思います。
英語力について明確な基準はありませんが、一般的にはTOEIC700点以上、英検2級以上程度が望ましいとされています。
DS-2019の取得と費用について
前述のとおり米国が認めるスポンサーオーガニゼーションのみが発行することができるため、まずはスポンサーオーガニゼーションを選定する必要があります。
ネットで「DS-2019 取得方法」と検索するといくつかのエージェントがヒットすると思います。
費用はエージェントによって異なりますが、アメリカ滞在中の保険料を含めて概ね40万円前後が相場のようです。
なお、ホストカンパニーからの必要書類の取り寄せを代行してくれたり、申請から取得までの期間を短縮してくれたりするサービスをオプションで提供しているエージェントもあり、そういったオプションによって料金は数万円単位で変動します。
申請までの期間に十分に余裕を持ち、なおかつ自分でホストカンパニーとの連絡調整を英語でできるというのであれば、基本料と保険料を含む40万円程度で最も安く抑えられると思います。
申請から取得までにかかる期間は、一般的に約5週間です。
DS-2019を申請するのに必要な書類
- パスポートのコピー
- エージェントへの同意書
- エージェントへの申請書
- 最終学歴の英文卒業証明書のコピー
- 銀行の発行した英文残高証明書(滞在月× $1500分の残高証明)または雇用者が発行する派遣中の収入を証明する英文書類
- 英語能力を証明する書類
- 英文履歴書
- HOST COMPANY AGREEMENT
- TRAINING PLACEMENT PLAN
エージェントへの同意書や申請書は、それぞれのエージェントからもらう様式を埋めるだけですので問題ないと思います。
英文履歴書はネットでサンプルをいくつか調べて、A4で1枚に収まるように自作しましたが、特に問題ありませんでした。
HOST COMPANY AGREEMENTというのは、受け入れ先からの同意書であり、事前に受け入れ先からサインをもらってPDFなどで送ってもらう必要があります。
TRAINING PLACEMENT PLANは研修期間に何をするかという研修計画書で、これも同じく事前に受け入れ先からサインをもらってPDFなどで送ってもらう必要があります。
配偶者や21歳未満の未婚の子どもを連れていく場合のJ-2ビザ申請には、追加で次のものが必要となります。
- パスポートのコピー
- エージェントへの申請書
- 婚姻関係を証明する書類(戸籍謄本)及びその英訳
戸籍謄本を取得し、自分で英訳した書類を添付すれば問題ありません。
戸籍謄本の英訳サンプルについてはネットで検索すると色々見つかります。
DS-2019申請中にエージェントとのやり取りで必要なこと
エージェントによっても異なると思いますが、基本的に次のようなことを求められます。
- 電話での英語インタビュー
- オンラインでの英語能力テスト
- オンラインオリエンテーション
英語力を試したり、渡米前の研修といった内容です。
英語に関するテストのレベルは、前述のとおりTOEIC700点、英検2級程度と感じました。
オンラインオリエンテーションも全部英語なので、ここで英語につまづく程度だと渡米後相当苦労すると思います。
これらをこなし、順調に申請が進むと、エージェントに申し込みをした日から約5週間でDS-2019が手元に郵送されてきます。
ここまででもすでに結構な道のりなので、DS-2019が届いた時には頬ずりしたくなりました(笑)
いよいよJ-1ビザの申請です
さて、ここからがいよいよビザ申請のステップです。
また一山超える必要があります。
米国大使館にビザを申請します。
オンライン申請し、在日米大使館へ出向いて面接を受ける必要があります。
申請とビザ発行までの流れ(ざっくり)
流れはざっくりと以下のとおりです。
- 在日米大使館サイトでオンライン申請
- 同サイトで面接の予約
- ビザが発行され、面接から約7日後に申請者へ郵送されてくる
なお、オンライン申請は入力項目が多く、しかも入力完了までの時間制限があるため、僕は何度もタイムアウトし、ログインからやり直しを繰り返すハメになりました。
結局、2時間半かかりました。。
根気よくやっていくと必ず終わりますので、頑張ってください。
ビザ申請に係る費用
ビザ申請費用が160ドル、SEVIS費用が180ドルかかります。
オンラインでクレジットカード決済などができます。
SEVISとはStudent and Exchange Visitors Information Systemの事で、情報管理をするネット上のシステムの事だそうです。
ちなみにSEVIS費用はエージェントによってはDS-2019の申請費用に含まれている場合があります。
ビザ申請から取得までにかかる期間
一般的にオンライン申請からビザが手元に届くまで、順調にいって約2週間と言われています。
ちなみに僕の場合は12日間で届きました。
申請に必要な書類等
- DS-160フォーム
- パスポート
- 過去10年間に発行された古いパスポート
- 証明写真
- 面接予約確認書
- DS-2019
- DS-7002
- I-901(SEVIS費用支払確認書)
米国大使館へオンラインでビザ申請が済むと、最後に印刷画面が出てきます。
それを印刷したものがDS-160となります。
古いパスポートは、過去の米国への入国履歴を入力する際に必要となります。
なお、古いパスポートは大使館での面接時の持ち物リストにも入っていますが、僕の場合は面接官から提出を求められることはありませんでした。
DS-7002とは、前述のTRAINING PLACEMENT PLAN(研修計画書)のことです。
I-901はSEVIS費用を支払ったという証明書のことで、SEVISウェブサイトでIDとパスワードを入れてオンラインでダウンロードできます。
大使館面接について
面接の持ち物や当日の流れなどは、米国大使館のウェブサイトでYoutube動画によりすごくわかりやすく説明されています。
大使館というとお堅いイメージがありますが、動画の内容はとても面白くわかりやすい構成になっていて好感が持てます。
いいぞアメリカ大使館。
また、「面接」と言っても尋問されるわけではありません。
カウンター越しに立ったままで、渡米の目的やホストカンパニーの情報などについていくつか質問を受けるだけです。
面接官は日本人ではありませんが、日本語も話せる人が多いです。
ちなみに大使館周辺は警視庁の警備警察官及び警察車両がこれでもかというほど厳重に配備されていてビビりました。
時間に余裕を持って出かけましょう。
ビザの受け取り
面接が終わるとパスポートも含め申請書類一式を大使館に提出してきます。
ビザは実際にはパスポートサイズのシールになっていて、ビザが発行されると、そのビザシールが貼られた自分のパスポートが郵送されてきます。
手元にビザ付きのパスポートが届いた時には、これまでの苦労が全て報われた気がしました。
後は渡米まで忘れ物の無いようにしっかりと準備していきましょう。